インターネットの普及により、日本の中小企業が外国企業から直接、市場調査やコンサルティング、システム開発などの仕事を請け負うケースが増えています。
請求書を発行する際、相手が海外にいるため「モノの輸出と同じように、サービスの提供も『輸出免税』になるから、消費税は請求しなくてよい」と考えていませんか?
確かに消費税法上、非居住者(外国企業など)に対する役務(サービス)の提供は、原則として輸出免税の対象となります。しかし、「相手が外国企業なら無条件で免税になる」と思い込んで消費税を請求せずにいると、後日の税務調査で「これは輸出免税の要件を満たしていません。国内売上として10%の消費税を納めてください」と指摘され、自社で消費税を負担することになりかねません。
実は、非居住者向けのサービスであっても、輸出免税が適用されない「2つの重大な例外」が存在するのです。
例外その1:相手の外国企業が「日本に事務所」を持っている場合
1つ目の例外は、仕事の依頼主である外国企業が、日本国内に支店や出張所などの「事務所等」を有しているケースです。
非居住者が日本国内に事務所等を持っている場合、その外国企業に対するサービスの提供は、原則として「日本の事務所等を経由して行われたもの」として扱われます。そのため、相手の本社が海外にあっても、税務上は国内取引と同様に扱われ、輸出免税は適用されません。
「相手の担当者とは英語で直接メールしているし、送金も海外から来るから非居住者への輸出免税だ」と思い込んでいても、実は日本に支店があった…というケースは少なくありません。取引前に相手企業の日本拠点の有無をしっかり確認することが重要です。
※直接海外の本社と取引しており、日本の拠点が一切関与していないこと等の厳格な要件を満たせば免税となる場合もありますが、ハードルは高くなります。
例外その2:サービスの「便益の享受」が日本国内で完結する場合
2つ目の例外は、提供したサービスのメリット(便益)が日本国内で直接消費されて終わってしまうケースです。税務上、これを「便益の享受が国内で完結する役務の提供」と呼びます。
消費税はあくまで「日本国内での消費」に課税する税金であるため、海外の人が依頼主であっても、日本で消費されるサービスにはしっかり消費税がかかります。
輸出免税にならない(10%課税される)サービスの例
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外国企業から依頼された、日本国内にある建物(空き家や工場など)の現状調査や修理・メンテナンス
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外国企業の社員が日本へ出張してきた際の、国内での宿泊や飲食の提供、国内の旅客輸送
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外国人を対象とした、日本国内の日本語学校での語学教育
例えば、外国企業から「日本市場向けの製品テストをしてほしい」と依頼された場合、その成果物(レポート等)が海外で利用されるのであれば輸出免税となりますが、「日本にある自社の物件を修理してほしい」という依頼であれば、便益は日本国内で消費されているため、10%の消費税を乗せて請求しなければなりません。
まとめ:海外からの依頼は「相手の拠点」と「消費される場所」を確認!
サービスを海外へ提供する場合、モノの輸出のように「税関を通った」という明確な事実がないため、消費税の判定が非常に複雑になります。
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依頼主の外国企業は、日本に支店や営業所等の「事務所」を持っていないか?
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提供するサービスは、日本国内で消費されてしまうもの(不動産の修理や国内での飲食等)ではないか?
これらに該当する場合は、安易に「輸出免税」として処理せず、国内取引として10%の消費税を請求する必要があります。海外取引を行う際は、ぜひこの2つのポイントをチェックしてみてください。
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