相談・紛争事例79

財団法人不動産適正取引推進機構 相談・紛争事例79より引用します。

改正された犯罪収益移転防止法による業務上の注意事項のポイントを確認したいと
いうお問い合わせがありました。

犯罪収益移転防止法(犯罪による収益の移転防止に関する法律)は、国内外の情勢
を踏まえた改正が行われ、本年4月1日より施行されました。
改正では、宅地建物取引業者(特定事業者)が顧客等との間で行う宅地建物の売買、
宅地建物の売買の代理・媒介に関する売買契約の締結(特定業務・特定取引)の際に行
う「本人確認義務等」が「取引時確認等」とされ、確認すべき事項が追加されました。
具体的には、従前に確認事項とされていた顧客の「本人特定事項(自然人の場合は
「氏名」「住居」「生年月日」、法人の場合は「名称」「本店又は主たる事務所の所在地」)
に加え、「取引を行う目的」が追加され、更に、顧客が自然人の場合は「職業」、法人の
場合は「事業の内容」および「実質的支配者が存在する場合はその者の本人特定事項」
が確認事項とされました。
また、(1)なりすましの疑いがある取引、(2)本人特定事項を偽っていた疑いのある顧
客との取引、(3)特定の国または地域(イラン・北朝鮮)に居住・所在する顧客との取引の
3類型を「ハイリスク取引」と位置付け、より厳格な方法による確認が義務とされました。
本人確認は、運転免許証、登記事項証明書の提示等の方法で行いますが、「取引を行
う目的」「職業」「実質的支配者(議決権総数の4分の1を超える議決権を有している者)
の有無」の確認は、「公的証明書」の提示による確認とは別に「聴取」「電子メール・F
AXでの申告」や「確認事項を分類した書類にチェックを求める」等の方法によること
になります。
取引時確認の内容を勘案して、取引において収受される財産が、犯罪による収益で
ある疑いやマネー・ロンダリングを行っている疑いがあると認められる場合は、速やか
に行政庁(知事免許業者は各都道府県知事、大臣免許業者の場合は本店又は主たる事務
所の所在地を管轄する地方整備局長)に届けなければなりません。
なお、「ハイリスク取引」の疑いのある取引では、通常の本人確認で用いていない別
の本人確認書類を確認して添付し、200万円超の財産の移転が行われる場合には、顧客
の資産及び収入の状況(自然人の場合は源泉徴収票・確定申告書・預貯金通帳等、法人
の場合は貸借対照表・損益計算書等)の確認が求められることになりました。
取引時確認を行った場合は、直ちに「確認記録を検索するための事項」「取引の期日
及び内容」の取引記録を作成し、契約が終了した日から7年間保管することが必要です。

国土交通省は、「不動産の売買における疑わしい取引の参考事例」および「確認記録
の参考様式」をHPに掲載していますのでご参照ください。
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000025.html 下段<その他>部

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