相談・紛争事例78

財団法人不動産適正取引推進機構 相談・紛争事例78より引用します。

地域の防災対策に関する情報の説明について

不動産仲介業者の方から、「最近、物件の立地場所について、顧客から「災害が起き
る可能性はどのくらいあるのか。災害が起きたらどこに避難するのか。」などと質問
されることが増えたように思いますが、どのような対応をすべきなのでしょうか。」
というお問合わせがありました。

 2011年3月11日の東日本大震災の発災以降、首都直下地震や南海トラフ巨大地
震の被害想定なども公表され、国民の災害への関心は高まっています。不動産の売買仲
介において、買主から、建物の耐震性等のみならず、その立地場所が被災しやすい場所
なのかどうか、また、災害時にどこに避難したらよいのかなどの質問を受ける頻度が高
まっていることは確かでしょう。
 説明する際、気をつけなければならないことは、地域の災害の発生可能性、範囲等に
関する情報は、変化・進化し続けているということです。多くの地方公共団体において
は、地震、津波、洪水、内水、土砂災害等に関する災害ハザードマップづくりが「現在
進行形」で進められていますし、地域の防災対策が取りまとめられた地域防災計画の改
定も進められています。例えば、国土交通省のホームページを見ると、重要事項説明書
標準様式において、津波防災地域づくり法上の津波災害警戒区域内か区域外かを記載す
る項目がありますが、そのQ&Aの中で、「「現時点では未指定であるものの、今後都道
府県が区域を指定する可能性はある」旨説明することが、取引上のトラブルを防止する
観点から望ましい」としています。
 「現在進行形」で進められている防災対策関係の情報については、まず、地方公共団
体のホームページで公表されているかを、営業担当者・取引主任者自身で確認しておく
ことが大切です。そして、公表されている情報は積極的に買主に説明することが重要で
す。その際、地方公共団体のホームページを紹介し、詳細を確認したい場合にはこちら
の行政窓口にお問い合わせくださいと補足説明すると親切です。
  なお、当機構が昨年11月に実施した不動産事業者へのアンケート調査では、災害ハ
ザードマップについて地方公共団体に問い合わせて確認し買主へ説明・資料提供してい
る仲介業者が64%、同様に、地元の地域防災計画を地方公共団体に確認して買主へ説
明等している仲介業者が29%の割合でおられました。また、災害発生時の避難ビル、
避難所等の情報を買主に提供している仲介業者は9%でした。
  今後とも、仲介業者のみならず、売主・事業者、賃貸住宅管理業者、ビル賃貸業者等
の方々も含め、地域の防災対策に関する情報を積極的に顧客に説明し、地域防災力の向
上に貢献することが期待されています。 

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