相談・紛争事例59

財団法人不動産適正取引推進機構 相談・紛争事例59より引用します。

借家人の方から次のような相談がありました。
 相談者は借地上の建物の賃借人で、「突然、大家さんから地主との借地契約の期間が
契約により終了するので、建物から退去してほしいと言われました。出て行く必要が
あるのでしょうか。」というものでした。
 借地上の建物の賃借人は建物を利用すると同時に土地も利用していますが、土地の
利用については土地所有者と契約しているわけではなく、借地人の有する借地権に基づい
て土地を利用していることになります。従って、本件の建物の賃借人は建物の賃貸人に
対して建物賃借上の権利を主張できますが、土地所有者には対抗することはできません。
土地所有者と借地人との借地契約が終了すると、借地人は建物を取り壊し、土地を明け渡す
必要が生じます。建物が取り壊されれば建物の賃貸借契約関係が終了するため、建物の賃借人
は建物から退去せざるを得なくなります。
この事態を建物の賃借人からみると、借地契約の終了を知ることができませんので、いつ建物
の明け渡しを求められるかわからないという不安定な立場におかれます。
 そこで、借地借家法は、建物の賃借人が借地権の存続期間満了を1年前までに知らなかった
ときは、裁判所に対し、明け渡しの猶予を求めることができることを規定しています(借地借家法第35条)。
相談者の場合、建物から退去する必要はありますが、法律上、裁判所に1年を超えない範囲において、
相当の期限を求めることができることから、その旨を賃貸人及び土地所有者に話し、猶予期間を相談
するとよいでしょう。

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