財団法人不動産適正取引推進機構 相談・紛争事例67より引用します。
クーリング・オフについて仲介ご担当者から、次のような質問がありました。
宅建業者が自ら売主になる場合、事務所等以外の場所で買受けの申込みまたは売買契約
の締結をした買主(宅建業者を除く)は、申込みの撤回等ができることを書面で告げられ
たときから8日以内であれば、書面でその撤回をすることができるとされていますが、例
えば、自宅近くのファミリーレストランや喫茶店等で、クーリング・オフしないというこ
とを買主が了解の上契約を締結した場合、クーリング・オフの適用はどうなるのでしょう
か。売主業者は買主がクーリング・オフをしないことを了解の上契約したのですから違約
金を請求したいと言うのですが。
「宅地建物取引業者が、クーリング・オフ制度の適用がある場所で契約締結を行った場
合において、相手方に対してクーリング・オフをしない旨の合意を取り付けたとしても、
この制度の適用がある場所で契約締結等を行った場合はクーリング・オフ制度が適用さ
れる」とされています。(宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方)
また、「宅地建物取引業者が、クーリング・オフ制度の適用がある場所で契約締結等を行
ったにもかかわらず、相手方に対して、クーリング・オフができない旨を告げる行為やク
ーリング・オフをするには損害賠償又は違約金が発生するなどを告げる行為は、情状に応
じ、法第65条第1項第1号又は第2号の指示処分、法第65条第2項第5号の業務停止処
分等を行うことにより、厳正に対応する必要がある」とされ、クーリング・オフの妨害行
為に対しては、厳しく対応する旨が示されています。
したがって、ご質問のケースでは、買主は、クーリング・オフの告知を受けて8日以内
であれば、クーリング・オフにより契約を解除することができます。
クーリング・オフにより契約が解除された場合、売主は既に受領した手付金等の金銭を
買主に返還しなければなりません。売主は違約金の請求をすることも出来ません。
いずれにしても、クーリング・オフについては法37条の2のほか、規則16条の5及び6、
解釈運用の考え方(法37条の2第1項関係)を是非精読していただきたいと思います。
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