相談・紛争事例68

財団法人不動産適正取引推進機構 相談・紛争事例68より引用します。

土地区画整理事業地内で新築住宅を販売した宅建業者から質問がありました。
「数年前に仮換地で建売を販売しました。先日、換地処分の公告があり、事業施行者が
買主に清算金を請求しました。買主から、『清算金の話は聞いていないから、売主で負担
せよ』と苦情がきています。本件土地区画整理事業の換地清算金取扱規則には『換地処分
の公告の日における当該土地の所有者その他の権利者に帰属する』となっていますが…」

土地区画整理事業においては、換地計画を立てる際に、地価単価の上昇と地積の減少で
バランスを取りますが、すべての所有者が公平になるように再配置することは難しいため、
清算金の制度があります。減歩(地積の減少)が少なかった分は清算金を徴収し、逆に減
歩が多かった分は清算金を交付することでバランスを取ります。
国土交通省の土地区画整理事業運用指針(平成13年12月)によると、「土地区画整理事
業においては、法第104条及び第110条の規定により、換地処分の公告の日の翌日におけ
る土地所有者等に対し清算金の徴収又は交付が行われる」となっており、換地処分公告の
日までに事業施行区域内の土地等を売買した場合、事業施行者は清算金の徴収もしくは付
与を買主に対し行います。
この清算金をめぐり、売主・買主間で紛争となることがあることから、国土交通省の宅
建業法の解釈・運用の考え方に「宅地建物取引業者が土地区画整理事業の施行地区内の仮
換地の売買等の取引に関与する場合は、重要事項説明時にその売買、交換及び貸借の当事
者に対して『換地処分の公告後、当該事業の施行者から換地処分の公告の日の翌日におけ
る土地所有者及び借地人に対して清算金の徴収又は交付が行われることがある』旨を重要
事項説明書に記載のうえ説明することとする。」と記載され、土地区画整理事業運用指針
(平成13年12月)にも同様の記載があります。
 なお、土地区画整理事業の完了には時間がかかることから、完了間際まで清算金額を正
確に確定することは難しいという問題はありますが、売買当事者間では、仮換地の売買を
行う際に、従前地・換地どちらの評価に基づいた売買価格か等を踏まえた上で清算金の実
質的な負担者について決めておく必要があります。
いずれにせよ、売主業者は、買主に対して、清算金の徴収又は交付が行われることがあ
る旨についてよく説明しておくべきであったと考えます。

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