RETIOメルマガ第91号 相談・紛争事例等より

RETIOメルマガ第91号より引用しております。

★契約更新時の連帯保証人について

賃貸借契約の更新に際し、借主から「連帯保証人が死亡した、または、生活保護を受ける
ようになったため、貸主から、代わりの連帯保証人を立ててくれ、立てられないのであれば、
契約を更新しないと言われている。退去しなければいけないのか」といった相談が何件かあ
りました。
連帯保証人の署名・押印がないものの、貸主・借主が署名・押印していることで、賃貸借
契約が成立しているとの判例(東京地裁 平成25年7月17日 事件番号平24(ワ)1
3406号)もあることから、代わりの連帯保証人を立てられないことが、即契約解除とな
り、退去しなければならないとは言えないと考えられます。
ただし、借主が貸主側に強硬に退去しないと主張すると、貸主・借主間の関係は悪化しま
すので、次のような代替案をお伝えしています。

・貸主側が、連帯保証人を立てることを条件とするのは、家賃滞納時等の請求先とするため
とともに、借主が迷惑行為等をした場合の身元保証人の意味も大きく、契約更新時には借主
属性も把握できているわけであり、身元保証人としての役割は不要と考えられることから、
従前の契約で機関保証を立てていないのであれば、機関保証を立てることを、連帯保証人を
立てる条件の交換条件として提案する。
・貸主側の懸念事項の一つには、借主の孤独死といったこともあると考えられます。連帯保
証人が立てられずとも、貸主に、明確な連絡先を告知しておくことも、ひとつの交渉材料に
なるかもしれません。
・連帯保証人を立てられないことに関し、貸主が頑なで譲歩が得られない場合は、管理会社
に機関保証のみで入居できる物件を探してもらうことを条件に退去する旨伝え、また、退去
費用に関し貸主側の提案を求めていく。

なお、連帯保証人が死亡した場合は、連帯保証人の義務は一身専属債務ではないので、相
続人に承継されます。(民法896条)、そのため、相続人は相続放棄をしない限り、連帯保
証人であった被相続人が負うべき債務を、原則、負うこととなりますので、借主はこの点も
踏まえたうえで、代わりの連帯保証人を立てられるかを考える必要があります。

以上記載した内容は、これを実行すれば即解決するといったものではありませんが、貸主
から委託をうけた管理会社としても、単に借主に契約解除を求めるのみでなく、上記内容等
を、借主・貸主に提案していくことが、円滑な解決につながると考えます。

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